親知らずが痛い!抜歯のリスクやデメリット、痛みについて徹底解説

「親知らずが痛いんです」

歯医者さんにそんな訴えを行った場合、十中八九、返ってくる答えは次のようなものです。

「じゃあ、抜いちゃいましょう!」

親知らずは無くても、「噛む機能」に影響を及ぼさないことは周知の通りです。
また、虫歯や歯周病になっていない親知らずでも、隣接する歯に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

こうしたことから、歯医者さんは親知らずに問題を見つけた場合、「抜いたほうがいいですよ」と提案をするわけです。

さて、親知らずを抜歯してはどうか、という提案を受けたとき、患者はどのように対応すべきでしょうか?
専門家が、「抜くべき」と言っているのですから、それに従うことがベターではあるでしょう。

しかし、親知らずの抜歯には、リスクやデメリットが存在します。
「抜歯後の痛みや腫れ」などが生じることは有名ですが、親知らずの抜歯の問題は、それだけではありません。

この記事では、親知らずが痛い人が必ず知っておくべき、「親知らずの抜歯の危険性」について、詳しく解説していきたいと思います。

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親知らずを抜歯するリスクとデメリット

リスク1.神経を傷つけることによる神経麻痺

稀なケースではありますが、親知らずを抜歯する際に、近くにある神経を傷つけてしまうことがあります。
こうした場合、麻酔が切れてから、患部付近や舌・唇などに痺れが生じる(神経麻痺)・味覚が失われる(味覚障害)などの後遺症が出ることがあります。

抜歯により神経を傷つけてしまったことによる神経麻痺(顔面麻痺)は、治療が非常に難しく、回復に長期の時間を要します。
短期間で治る場合もあれば、一生涯にわたって治らない場合もあります。

なお、神経を傷つけてしまうリスクは、主に下顎の親知らずの抜歯の際に発生します。
特に、水平埋伏歯(水平埋没歯)と呼ばれる、親知らずが横向きに埋まってしまっている歯は、リスクが高くなります。

親知らずの抜歯に伴う神経麻痺の発生率について

下顎の親知らずの抜歯により神経麻痺が引き起こされる確率は、2.25%以下と言われています。
親知らずが、通常の歯のように真っ直ぐ生えていれば麻痺のリスクは低くなります。
親知らずが、水平に埋まっていたり、隣の歯(7番)に接触していたり重なっていたりすると、リスクは高くなります。

本邦での下顎智歯抜歯に伴う合併症の頻度に関する報告は、下歯槽神経麻痺では0.46~2.25%、舌神経麻痺では0.07~1.00%である。

大阪労災病院耳鼻咽喉科

親知らずの抜歯に伴う神経麻痺の回復期間と回復率について

不幸にも、親知らずの抜歯により神経麻痺が起こってしまった場合、回復することは可能なのでしょうか?
抜歯による神経麻痺の回復期間と回復率について、専門家は次のように述べています。

術後、神経の痺れが生じた患者さんのデータを集めた研究では、8週間で20-30%の方が痺れが改善・消失をし、9か月後には90%の方が痺れが消失していたというデータがあります。

親知らず抜歯後1週間してから麻痺が出てしまいました

もし親知らずの抜歯で神経麻痺が発生してしまったら

親知らずの抜歯により神経麻痺が発生した場合、一般的な対処法としては・・・

・メチコバール、アデホスコーワ、リリカなどの、損傷した神経の回復に効果のある内服薬の服用。
・レーザー治療。
・星状神経節ブロック注射。

などがあります。

神経が「傷ついている」のであれば、これらの治療により回復が見込めます。
しかし、神経が「完全に切断されてしまっている」場合は、回復は望めないとされています。

なお、神経を損傷した場合、治療に着手するのが早ければ早いほど、回復の可能性も高まります。

リスク2.強い痛みや腫れ

痛みや腫れは、親知らずの抜歯施術のほとんどに伴う症状です。
通常、上顎の抜歯であれば2,3日で、下顎の抜歯であれば7日ほどで、痛みや腫れは治まります。

しかし、難しい施術となった場合、痛みや腫れが非常に強くあらわれる場合もあります。
親知らず周辺のみならず、頬・耳・こめかみ・首すじなど、痛みや腫れが広範囲にわたってあらわれることも、稀ですが起こり得ます。
こうした場合、口を開くことも困難になったり(開口障害)、発熱なども生じたりします。

親知らずを抜歯する際は、骨を削るなどの強い負荷を与えることが多く、厄介な親知らずであればあるほど、痛みや腫れが深刻になるリスクも高まります。

抜歯施術を受ける際は、こうしたリスクを念頭に置き、術後安静にできる時間を設けられる「連休前」などに施術を受けることをおすすめします。

強い痛みや腫れの原因「ドライソケット」とは

親知らずの抜歯後、数日たってから痛みや腫れが出てきてしまった場合、「ドライソケット」と言われる症状が発生している可能性があります。

通常、抜歯の傷口は「血餅」と呼ばれる血などの浸出液の塊によって塞がれます。
しかし、ブクブクうがいや、歯ブラシなどによる刺激により、これらの血餅が落ちてしまうことがあります。
この状態が「ドライソケット」です。

ドライソケットになってしまうと、傷口がむき出しの状態となり、痛みを引き起こしたり、細菌感染の原因となったりします。

ドライソケットの対処法としては、あえて抜歯の傷口を開いて出血させ、血餅を作る──などがあります(もちろん、この施術は歯科医の手によって行います)。
細菌感染が疑われる場合は、抗菌薬などの塗布も必要となります。

リスク3.自家歯牙移植の材料が失われる

歯科医療には、「自家歯牙移植」と呼ばれる治療方法が存在します。
自家歯牙移植とは、何らかの理由で抜歯をした場所へ、「親知らずなどの別の歯」を移植する施術のことです。

例えば、7番の奥歯(親知らずの一つ手前の歯)を抜歯した場合、親知らずをそこへ移植することで、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの処置をすることなく、歯の機能を回復させることができるのです。
親知らずを抜いてしまえば、この治療のための有効な材料が失われることになります。

自家歯牙移植の成功率や寿命について

自家歯牙移植の成功率は決して高いとは言えず、経験豊富な歯科医であっても、おおよそ8割前後と言われています。
自家歯牙移植の寿命については、ある専門家グループが次のように分析しています。

推定平均残存年数14.6年。10年生存率は73.6%

伊藤公二ほかスタディグループ救歯会の分析

抜くべき親知らず、抜かなくてもいい親知らずの区別について

通常の奥歯のように、綺麗に真っ直ぐ生えている親知らずの場合、あるいは、現時点で何もトラブルを起こしていない親知らずについては、抜かなくても良い──と考える歯医者さんは少なくありません。

一般的に、「親知らずを抜くべき」と考えられるのは、次のような場合です。

・親知らずが部分的に露出した状態で止まっていたり、埋まったまま出てこない場合(埋伏歯)
・歯列から外れた場所から生えてきた場合
・くり返し歯肉炎を起こしたり、反対側の歯肉や頬粘膜をかむ場合
・大きな虫歯がある場合
・矯正治療を行う場合(自費の場合があります)

親知らずは抜かなければならないのですか?

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