横紋筋融解症Q&A:症状や原因、治療法や副作用について|ミオグロビン尿が出たら赤信号!

スポンサーリンク
レクタングル(大)

横紋筋融解症とはどんな病気?

横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)とは、後述するような様々な要因により、筋肉の細胞が融解(壊死)してしまう疾患のことを指します。
この細胞融解が発生すると、「ミオグロビン」と呼ばれるたんぱく質の一種が、血液中に流れ出ます。
血液中のミオグロビンの濃度が高くなると、血液を濾過する役割を持つ腎臓に負担がかかり、腎臓の機能低下を招く要因となります。

横紋筋融解症の症状とは?

前述の腎臓への影響のほか、横紋筋融解症の症状として代表的なものには、筋肉痛、脱力感、倦怠感、手足のしびれ、着色尿などが挙げられます。

着色尿については、前述の「ミオグロビン」が尿中に流出することにより、赤褐色の尿となります。
これは「ミオグロビン尿」と呼ばれ、横紋筋融解症を診断する上での重要な手がかりとなります。

横紋筋融解症が重度に至ると、腎臓の機能低下の度合いが著しくなり、急性腎不全などの深刻な症状を引き起こすリスクが高まります。
腎不全を起こしている場合は、尿が出なくなる「無尿」や、尿量が極端に減少する「乏尿(ぼうにょう)」などの症状があらわれることがあります。

横紋筋融解症を引き起こす原因は?

横紋筋融解症を引き起こす原因は様々ですが、中でも代表的なものは、次の通りです。

1.他の病気の治療薬の副作用

横紋筋融解症は、しばしば他の病気の治療薬の副作用として生じることで知られています。

横紋筋融解症を引き起こす原因となる代表的な薬剤には、高脂血症(脂質異常症)の治療薬である「フィブラート」や「スタチン」などが挙げられます。
そのほかにも、精神神経用剤(向精神薬)や抗菌薬、降圧薬など、様々な薬剤が横紋筋融解症を引き起こす原因薬剤として挙げられています。

次のリンク先では、横紋筋融解症を引き起こす主な原因薬剤の一覧表を掲載しています。
この表に掲載されている薬を服用している方は普段から、前述した横紋筋融解症の諸症状が自分に身に起きていないか注意するとともに、異常を感じた場合は直ちに医師の診断を受けることが大切です。

横紋筋融解症の原因薬剤 – 徳島県薬剤師会

2.熱射病

人体は長時間の高温環境にさらされると、体温調節機能に変調をきたします。
その結果として熱射病に陥り、脱水症状や意識障害、四肢の痙攣などが発生するとともに、高温により筋細胞が破壊され、横紋筋融解症を引き起こすことがあります。
高温多湿の環境下で作業や運動を行う際は、こまめに水分補給をするとともに、涼しい場所での休憩を適度に挟むことが大切です。

なお、熱射病予防のためには、塩分の補給も欠かせません。
飲み物は水やお茶ではなく、アクエリアスやポカリスエットなどのスポーツドリンクや、経口補水液など、ナトリウム(電解質)を豊富に含んでいるものが適しています。

3.有毒生物の摂取による食中毒

毒を持った生物を食することにより、食中毒症状として、横紋筋融解症が引き起こされることがあります。
横紋筋融解症を引き起こす原因となる代表的な毒素には、「パリトキシン」があります。
パリトキシンを有する生物としては、アオブダイ、ハコフグ、ソウシハギなどの魚類が挙げられます。

パリトキシンは加熱処理等を行っても分解されることのない毒素ですので、前述のようなパリトキシンを有する生物は決して口にしないことが大切です。

4.挫滅症候群による筋肉の損傷

災害時に崩落に巻き込まれるなどして、長時間にわたって圧迫や窮屈な姿勢を強いられると、筋肉が損傷し、横紋筋融解症を引き起こすリスクが高まります。

救助され、圧迫や窮屈な姿勢から解放されて血流が正常に戻ると、筋肉の細胞破壊により流出したミオグロビンが一挙に腎臓へと流れ込み、急性腎不全などの症状を引き起こすことがあります。

こうした症状は、「挫滅症候群(クラッシュシンドローム)」と呼ばれ、大災害時の救出作業における大きな課題の一つとなっています。

5.危険ドラッグ

一概に危険ドラッグと言っても、その種類は多種多様なのですが、中には常用により身体に大きな負担がかかり、横紋筋融解症を招く危険性のあるものあります。

危険ドラッグによる中毒症例は数多く報告されており,精神症状では幻覚,妄想,不安感,焦燥感,不穏,興奮などさまざまである。消化器症状として悪心・嘔吐は高頻度である。大麻や麻薬,覚醒剤,幻覚剤等が含まれていると急性期では交感神経興奮症状(散瞳,頻脈,血圧上昇,発汗・高体温など)を現す。
痙攣発作による筋肉の過剰運動が起こると筋細胞崩壊によって高クレアチニンキナーゼ血症を呈し,ミオグロビン尿症が進行すると腎不全に至るため,横紋筋融解症の合併に注意が必要である。肝機能障害は軽度から劇症に至るまでさまざまである。

危険ドラッグの本当の“危険性”について

横紋筋融解症の治療方法は?

横紋筋融解症の治療方針を立てる上で欠かせないのは、「横紋筋融解症を引き起こしている原因」を究明することです。
例えば、横紋筋融解症が「フィブラート」や「スタチン」などの、何らかの病気の治療薬によって引き起こされていると考えられるのであれば、その投薬の中止が第一です。

症状が軽度であれば、そうした「横紋筋融解症を引き起こしている要因」を排除した上で、輸液療法などの適切な処置を実施することにより、症状の改善が期待できます。

しかし症状が重く、急性腎不全などの重篤な状態に陥っている、あるいはその疑いがある場合は、血液透析などの血液浄化療法が検討されます。

横紋筋融解症は、発見が遅れると永続的な血液透析が必要となる場合が少なくありません。
早期発見・早期治療が何よりも大切ですので、上で述べたような横紋筋融解症の諸症状──筋肉痛や脱力感、手足のしびれ、褐色尿といった症状があらわれた場合は、すぐに医師の診断を受けることが大切です。

横紋筋融解症の”横紋筋”とは何のこと?

人間の筋肉は、横紋筋(おうもんきん)、平滑筋(へいかつきん)、心筋(しんきん)の三種類に大別できます。

横紋筋は「骨格筋」とも呼ばれ、その名のとおり骨に付着し、四肢を始めとする身体の各部位を動かす際に用いられます。

平滑筋は、主に(心臓以外の)内臓を形成する筋肉です。
自分の意思とは関係なく、必要に応じて自然に収縮・弛緩する「不随意運動」を行います。

心筋は、心臓を形成する筋肉であり、広義においては横紋筋の一種です。
心臓を拍動させる役割を持ち、平滑筋と同様に不随意運動を行います。

横紋筋融解症とは、これら三種類の筋肉のうち、唯一の随意筋である横紋筋が融解(壊死)する疾患です。

運動後に褐色尿が出た!これって横紋筋融解症?

マラソンやトライアスロンなど、激しい運動を行った際に、筋肉に異常な負荷がかかって筋細胞が破壊され、横紋筋融解症の症状があらわれることがあります。

また、剣道や柔道などの裸足で行うスポーツなどでは、足の裏に強い刺激が加わることで、褐色尿が出るケースが少なくありません。
この症状は、足の裏の筋肉や血管がダメージを受けることにより、赤血球が破壊されて、尿として排出されるために起こります。

これらは横紋筋融解症の一種とも言えますが、大抵の場合、症状は一時的であり、運動の強度を弱めたり、足の裏の負担を軽くするなどの工夫を行なえば、症状の改善が見込めます。

ただし、症状が重い場合、もしくは長期化している場合は、医師の診断を受けることが必要です。

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする