耳下腺炎Q&A:流行性と反復性の違い、治療法や感染予防など|おたふくかぜの症状と原因、大人もうつる?

耳の下が痛い、腫れている・・・。
そんな症状があらわれているときは、「耳下腺炎」を患っている可能性があります。

耳下腺炎には大きく分けて、流行性反復性の二種類があります。
この記事では、これらの耳下腺炎の症状や原因、治療法などについて、詳しく解説をしていきたいと思います。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)とは?

耳下腺(じかせん)とは、唾液を分泌する役割を持つ器官であり、耳の付け根から顎まわりのあたりに存在します。
この耳下腺が何らかの要因により炎症を起こした状態を、「耳下腺炎」と呼びます。

そして「流行性耳下腺炎」とは、「ムンプスウイルス」と呼ばれるウイルスに感染して、耳下腺が炎症を起こした状態のことを指します。
これがいわゆる、「おたふくかぜ」であり、3~5歳くらいの子供が特に発症しやすいとされます。

流行性耳下腺炎の症状の特徴は、耳下腺に生じる痛みや腫れです。
この症状は、両側の頬にあらわれることも、片側の頬のみにあらわれることもあり、一週間ほど続くことが一般的です。

37度~39度の発熱が伴うことが多いですが、後述する合併症が起きていない場合は、熱は3日程度で自然に下がります。

流行性耳下腺炎にかかる原因は?

前述の通り、流行性耳下腺炎は、「ムンプスウイルス」というウイルスに感染することで引き起こされる病気です。
感染経路は、くしゃみなどによる飛沫感染や、接触感染です。

一度ムンプスウイルスに感染すると、体内で免疫ができるため、その後は流行性耳下腺炎を発症することはありません。
ただし、免疫ができたのちも、流行性耳下腺炎と良く似た症状を持つ病気である「反復性耳下腺炎」を発症することがあります。
※反復性耳下腺炎の詳細については後述します。

流行性耳下腺炎の治療法とは?

流行性耳下腺炎の治療は対症療法が中心となります。

熱が高い場合は解熱剤が、痛みが強い場合は鎮痛剤が、耳下腺の炎症が酷い場合は抗炎症剤などが処方されますが、基本的には「安静第一」です。

症状が重く、細菌感染などが懸念される場合には、抗生剤(抗生物質)が処方されることもあります。
なお、流行性耳下腺炎を引き起こす原因ウイルスであるムンプスウイルス自体には、抗生物質は効果がありません。

流行性耳下腺炎の潜伏期間は?

流行性耳下腺炎(ムンプスウイルス)の潜伏期間は、2~4週間程度とされます。

ムンプスウイルスが流行する時期は?

近年では、ムンプスウイルスの流行に顕著な季節性はない、と考えられています。
強いていえば、乾燥してウイルスが飛散しやすい冬場と言えるしょう。

合併症にはどんなものがあるの?

流行性耳下腺炎の合併症として特にあらわれやすいのが「無菌性髄膜炎」です。
無菌性髄膜炎の症状は、高熱や、強い頭痛・吐き気・嘔吐などです。
無菌性髄膜炎が疑われるこれらの症状があらわれている場合は、早急に医師の診断を受ける必要がありますが、後遺症などが残ることは稀で、予後は良好であるケースが多いとされます。

また、男性の場合は睾丸炎副睾丸炎、女性の場合は卵巣炎などの合併症を伴うケースも少なくありません。
特に、思春期を過ぎた年齢で流行性耳下腺炎を発症した人に、これらの合併症があらわれることが多いとされます。
治療が遅れると、睾丸や卵巣の機能に支障が生じ、不妊症に至る場合もあります。
睾丸や下腹部に痛みや腫れを感じる場合は、早急に医師の診断を受けてください。

その他の合併症としては、難聴、脳炎、膵臓炎、腎炎などが挙げられます。

流行性耳下腺炎は、成人が発症すると症状が重くなる傾向にあり、上述した合併症もあらわれやすくなります。

流行性耳下腺炎の予防方法は?

流行性耳下腺炎にはワクチンがありますので、早めのワクチン接種が推奨されます。
ワクチンを接種していれば、9割以上の確率で流行性耳下腺炎の発症を予防できるとされます。
ワクチンは1歳を過ぎれば摂取可能です。

ワクチン接種後、潜伏期間である2~4週間を経たのち、発熱や耳下腺の腫れがあらわれることがありますが、大抵の場合、症状はごく軽度で、数日で自然治癒します。

ワクチン以外で流行性耳下腺炎の予防をするには、ムンプスウイルス感染者の隔離が必要不可欠です。
しかし、感染者の感染力が最も高くなるのは、耳下腺が腫れだす前後の時期であるため、耳下腺の膨張を確認してから感染者を隔離しても、感染防止には大きな効果は望めません。

保育所・幼稚園・小学校への復帰の目安は?

流行性耳下腺炎を発症した場合、原則として保育所・幼稚園・小学校などはお休みする必要があります。
復帰の目安は、耳下腺の膨張が完全に消失した頃となりますが、最終的な判断は医師に一任しましょう。

ムンプスウイルスに感染しても耳下腺炎にならない場合があるって本当?

おたふく風邪を引き起こすムンプスウイルスに感染しても、3割~4割程度の人は、何の症状もあらわれません。
これを、「不顕性感染」と言います。

不顕性感染の場合も、ムンプスウイルスに対する免疫ができるため、その後はおたふく風邪を発症することはありません。

反復性耳下腺炎とは?

反復性耳下腺炎とは、流行性耳下腺炎に良く似た症状──耳下腺の腫れや痛みが、繰り返し再発する病気です。
流行性耳下腺炎とは異なり、発熱を伴わないことが多いとされます。

この病気を発症する原因については、いまだ判明していない部分も多いのですが、口腔内の細菌が何らかの要因で耳下腺に感染し、炎症を引き起こす──などが考えられています。

小学生までの、思春期前の子供が発症することが多いとされ、思春期を過ぎるころには、自然と再発もあらわれなくなります。
大人が反復性耳下腺炎を発症することもありますが、その場合、口の中の衛生状態に起因することが少なくないようです。

反復性耳下腺炎の治療法は?

反復性耳下腺炎の治療は、流行性耳下腺炎の治療と同じく、対症療法が中心となります。
しかし、反復性耳下腺炎は症状が軽い場合も多いため、特別な治療をせず、自然治癒に任せることも珍しくありません。
症状が重い場合は、主に細菌感染への対処として、抗生剤(抗生物質)の内服薬が処方されることがあります。

反復性耳下腺炎の再発予防法は?

上述の通り、反復性耳下腺炎は、いまだその詳しいメカニズムが明らかになっておらず、有効な再発予防法も確立されていません。
しかし、子供の反復性耳下腺炎は、成長に従って自然と再発しなくなることが大半であるため、過度に心配をする必要はないと言えます。

大人の反復性耳下腺炎については、口腔内の衛生状態を改善し、口腔内の細菌が耳下腺に感染しないよう努めることが、再発予防に繋がる可能性があります。

反復性耳下腺炎もうつるの?

反復性耳下腺炎は、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)と違って、他人にうつることはありません。
そのため、症状がごく軽度であれば、保育所・幼稚園・小学校などへの登園・登校は問題ありません。

しかしその場合は、無用な混乱を避けるためにも、園側・学校側の関係者に「耳下腺が腫れているが、おたふく風邪ではない」ということを、おたふく風邪の既往歴と併せて、事前に通知しておくことが大切です。

耳下腺炎Q&A

耳下腺炎になったときの食事の注意点は?

耳下腺炎を患っているときは、顎を酷使すると耳下腺が刺激されて、痛みや腫れを悪化させる恐れがあります。
食事については、おかゆやうどん、ヨーグルトなど、良く噛まなくても食べられるものを中心にしてください。

また、酸っぱい食べ物を口にすると、患部が刺激されて痛みが出ることがあるため、注意してください。

耳下腺炎は何科にかかればいい?

耳下腺の腫れや痛みがあらわれた場合、子供であれば、小児科にかかることが一般的ですが、耳鼻咽喉科でも問題ありません。
大人であれば、耳鼻咽喉科にかかることが一般的です。

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