インプラントのデメリット:寿命や痛み、手術失敗のリスクについて

「これは抜歯しないと駄目ですね」
歯医者さんにそう宣告されてしまったとき・・・
残されている選択肢は、大きく分けて、次の3つです。

・義歯(入れ歯)
・ブリッジ
・インプラント

このうち、近年急速に施術件数を増やしているのが、インプラントです。

入れ歯やブリッジは、どうしても天然歯と比べて噛む力が劣りますし、違和感も生じます。
また、入れ歯は手入れが煩雑ですし、ブリッジに関しては、他の歯を傷つけなければ装着ができません。

その点インプラントは、天然歯と同じように力を込めて噛むことができます。
入れ歯のように、つけたりはずしたりといった手間もありませんし、ブリッジのように、装着のために他の歯を傷つける必要もありません。
さらに、インプラントはいったん定着すれば予後も安定し、10年、20年といった長期にわたる利用も、十分に可能とされています。

抜歯に至ってしまった人にとって、まさに「最善の選択肢」のように思えるインプラント。
しかし・・・
そのデメリットやリスクに関しては、あまり詳しく触れられていません。

その理由の一つとして、歯医者さんにとってインプラント治療が「利益が非常に大きい施術」であるという点が挙げられます。

インプラント治療は保険が効かないため、数十万円の費用がかかることが一般的です。
保険診療を行った場合の利益とは比較にならないくらいの利益を、歯医者さんは得ることができます。
つまり極端な言い方をすれば、歯医者さんは「インプラントを植えれば植えるほどお金儲けができる」のです。

このため、一部の不届きな歯医者さんは、患者にインプラントのデメリットやリスクについて十分説明しないまま、「すぐに抜歯しないと」「抜歯後はインプラントがおすすめです」と、患者をインプラント治療へと誘導します。

こうした背景もあり、十分な技術が身についていないにも関わらず、お金儲けのためだけにインプラント治療を手掛け、患者に深刻なトラブルを招いてしまう医師が少なからず存在すると言われています。

こうした悪徳歯医者さんに騙されないためには、患者自身が、インプラントのデメリットやリスクについての知識を、しっかりと身につけておく必要があります。

この記事では、一部の悪徳歯医者さんが、なかなか説明しようとしないインプラントのデメリットやリスクについて、詳しく説明していきたいと思います。

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インプラント治療のデメリットとリスクについて

1.時間がかかる

インプラント治療における問題点の一つとして、インプラントを埋入して、噛めるようになるまで長期の時間が必要──というものがあります。

一般的なインプラント治療においては、問題の歯を抜歯したあと、すぐにインプラントを挿入するわけではありません。
抜歯後は、歯茎内の病巣を除去したのち、すぐに傷口を塞いでしまいます。
そのままの状態で3~6か月ほど待ち、骨や歯茎を回復させるのです。

その後、インプラントを埋入するわけですが、埋入後はまた3~6か月ほど待ち、インプラントが骨と結合する期間を置く必要があります。
インプラントがしっかりと骨に定着したことを確認できたら、そこでようやく「仮歯」が入ります。

つまり、インプラント治療を始めてから、物をしっかりと噛めるようになるまで、半年から1年ほどの期間が必要になるのです。
さらに、セラミック・クラウンなどの「本歯」が入るのは、仮歯で1~3か月ほど過ごし、安定性を確認したあとの話になります。

抜歯即時埋入法(1回法)について

上述したインプラント治療は、現在最も一般的に行われている「2回法」と呼ばれる手術方式です。
この他に、インプラント治療には、抜歯と同時にインプラントを植立する、抜歯即時埋入(1回法)という手法があります。
この手法であれば、抜歯からインプラント埋入までに、3~6か月間、待つ必要がありません。
抜歯と同時にインプラントが埋入され、場合によっては仮歯まで装着されます。

ただ、抜歯即時埋入は難易度の高い手術であり、成功率は歯科医の腕や、クリニックの設備に大きく左右されます。

2.お金がかかる

インプラント治療は保険が効かない「自由診療」扱いとなるため、非常にお金がかかります。
自由診療は、クリニック側が自由に価格設定することができます。
そのため、最初に提示していた金額の他に、様々な名目でお金をとり、結果として法外な医療費を請求するクリニックも存在するようです。

インプラント治療の金額設定の相場としては、セラミック・クラウン(差し歯)などの料金も含めて、インプラント1本につき、30~50万円が目安と言えるでしょう。

また、インプラントは「入れておしまい」ではなく、インプラント治療を行った歯科医による、定期的なメンテナンスが必須となります。
そして、その際のメンテナンス料金(年に数度)も、保険は効きません。
メンテナンスの料金としては、一度につき数千円から1万円程度が相場となります。

3.神経を損傷する危険がある

人間の顎には、様々な神経が無数に存在します。
インプラント埋入に失敗し、それらの神経を傷つけてしまうと、その部位周辺に麻痺などの後遺症が残ってしまう可能性があります。
こうした顔面麻痺は、時間経過により症状が改善される場合もあれば、生涯にわたって治らない場合もあります。

近年では、歯科用CTやマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)などの医療設備・技術の発達により、こうしたリスクは減少傾向にあります。
しかしそれでも、歯茎や骨をえぐり、異物を挿入する手術を行う以上、リスクをゼロパーセントにすることはできません。
インプラント治療を受ける際は、こうしたリスクをきちんと説明してくれる医師を選ぶべきと言えます。
担当医に、麻痺などの後遺症が発生した事例と割合などを尋ねてみることもおすすめです。

4.インプラント周囲炎を起こしやすい

インプラントは天然歯と比較すると「歯茎との結合が緩い」とされます。
また、天然歯には細菌に対する防御機構がありますが、インプラントにはそれが存在しません。
こうした背景から、インプラントを埋めた周囲は、細菌感染などを起こしやすいとされます。

細菌感染を起こした箇所は、炎症を引き起こします。
これが「インプラント周囲炎」です。

インプラント周囲炎が悪化すると、インプラントを埋めた土台となっている骨にまで感染が及び、感染した骨はやがて溶けて消失します。
天然歯であれば、痛みや違和感により、骨にまで感染が及ぶ前に察知することができます。
しかし神経の通っていないインプラントの場合、状態が深刻化しないと気づくことができないケースが多いのです。

年を追うごとにインプラント治療を受ける人が増えている現在、このインプラント周囲炎は非常に大きな問題となっています。
インプラント治療を受けて最初の数年は快適に過ごしていたが、気がつかないうちにインプラント周囲炎が進行し、気がついたら「骨髄炎」などの重篤な病気を発症していた──ということがあり得るのです。

日本歯周病学会の副理事長である小方頼昌教授が行った調査では、インプラント治療を受けてから3年以上が経過している人のうち、約4割がインプラント周囲炎を罹患、あるいはその前段階である──という結果になりました。

以上のことから、インプラント治療を受けるならば、天然歯以上に、ブラッシングやフロスなどによるセルフメンテナンスを徹底する姿勢が必要不可欠と言えます。

スウェーデンでのインプラント周囲炎の発病割合は、なんと5割に迫っています。
しかも、スウェーデン・イエテボリ大学は近代歯周病学の発祥の地でもありますから、世界で一番良く管理されている国でさえ、それだけ発病していることが驚異です。

プラークとインプラント周囲炎の問題

インプラント治療Q&A

インプラント治療の成功率は?

1990年に行われた専門家による調査によると、インプラント治療の成功率は下記の通りです。

状態を維持した年数とその割合

5年間・・・上顎89%、下顎97%
10年間・・・上顎81%、下顎95%
15年間・・・上顎79%、下顎88%

このデータは1990年の調査ですので、現在の医療水準であれば、もっと高い成功率(インプラント寿命)を期待できるでしょう。

なお、奥歯などの「インプラントを埋めやすい箇所」においては成功率が上がり、前歯などの「骨量が少なくインプラントを埋めにくい箇所」では、成功率は下がるとされます。

インプラントするなら禁煙しなきゃいけないって本当?

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。
これはインプラント治療の際に不可欠な、「骨や歯茎の再生」を損なうとされています。
そのため、インプラントが完全に定着するまでは禁煙することが強く推奨されます。

インプラント治療における痛みや腫れはどの程度?

手術中は麻酔が効きますので、痛みはありません。
手術を終えたあとは、痛みどめの薬などが処方されますので、それを服用します。
麻酔が切れると痛みが出てきますが、痛みどめの薬をきちんと服用していれば、それほど大事には至らないケースが大半とされます。
痛みや腫れは、1~3日程度続きます。

なお、インプラントの手術直後は、患部を舌や指で触ったり、ハブラシで磨いたりしてはいけません。
ブクブクうがいなどで刺激を与えることすらNGで、極力安静にしておく必要があります。

インプラント治療を受けたあとのセルフメンテナンスとは?

インプラント治療を受けたあとは、定期的な歯科医によるメンテナンスの他に、患者自身によるセルフメンテナンスが欠かせません。

インプラントのセルフメンテナンスは、特別な作業が必要なわけではありません。
1日1回以上の「徹底した」歯磨き、およびフロスや歯間ブラシを用いた清掃を行います。

歯磨きは回数を増やせば良いというものではなく、「1日に1度で良いので、徹底的にプラークを落としきる」という意識が大切です。

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