低カリウム血症Q&A:カリウム不足の原因や症状、食事の注意点|カリウムの多い野菜や食品は?

近年、ダイエットの影響などにより、「カリウム不足」に陥っている人が増えていると言います。

健康診断などで、「カリウムの値が低い」という結果が出てしまい・・・

「カリウム不足って、どんな問題があるんだろう」
「どんなことに気をつければいいんだろう」
などと、頭を悩ませている人も少なくないでしょう。

カリウムが不足することで気をつけておきたいのは、「低カリウム血症」という状態に陥ることです。
低カリウム血症とは、血液中のカリウムが基準値を下回り、後述するような様々な症状があらわれる状態のことを指します。

この記事では、低カリウム血症の症状や原因、カリウム不足を補うための食事の注意点などについて、詳しく解説をしたいと思います。

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低カリウム血症の症状とは?

低カリウム血症の初期症状として代表的なものは、吐き気や便秘、筋力低下です。
手足に力が入りにくくなり、慢性的な倦怠感や脱力感があらわれます。

低カリウム血症が悪化すると、不整脈や腸閉塞、意識障害、四肢の麻痺(しびれ)などを起こすリスクが高まります。

また、後述するように、カリウムには血圧を下げる働きがあるため、低カリウム血症に陥ると、高血圧になりやすくなります。

低カリウム血症に陥る原因とは?

低カリウム血症に陥る原因は様々ですが、その中でも代表的なものは、次の通りです。

「高カリウム血症」の治療薬の副作用

「高カリウム血症」とは、血液中のカリウムが基準値を上回る状態のことを指します。
腎臓の機能が低下するなどして、血液中のカリウムを排出する働きが不十分になると、血中のカリウム濃度が上昇して、高カリウム血症を引き起こします。

この高カリウム血症を解消するには、「血中のカリウム濃度を下げる薬」を服用することが一般的です。
しかし、この薬が効きすぎると、逆に血中のカリウム濃度が低くなりすぎてしまい、低カリウム血症を引き起こすことがあります。

「利尿症」の治療薬の副作用

利尿症の治療薬には、血中のカリウム濃度を低下させるものが少なくありません。
この薬が効き過ぎると、上述した高カリウム血症の治療薬と同じように、低カリウム血症を引き起こすことがあります。

ただ、利尿症の治療薬を処方する際は、血中のカリウム濃度を上昇させる「酢酸カリウム」などの薬も併せて出されることが多いため、そうした薬をきちんと服用していれば、低カリウム血症に陥るリスクを抑えることができます。

長期間にわたる下痢や嘔吐

下痢や嘔吐などの症状が長期間にわたって続いている場合、血中のカリウム濃度が低下し、低カリウム血症に陥る場合があります。

細菌性胃腸炎やウイルス性胃腸炎を発症するなどして、激しい下痢や嘔吐の症状があらわれている場合、低カリウム血症のリスクが高まります。
胃腸炎を原因とする低カリウム血症は、胃腸炎が治癒し、下痢や嘔吐の症状が鎮まれば、自然と快方へと向かうことが期待できます。

そのほか、拒食症や過食症などの摂食障害を患っていて、日常的に嘔吐を繰り返していたり、下剤を乱用しているような場合も、低カリウム血症に陥りやすくなります。

過度のダイエットなどによる栄養不足

カリウムは様々な食品に含まれているため、健康な人がカリウム不足に陥ることは稀です。
しかし、過度のダイエットにより栄養失調気味の状態にある場合、カリウムを始めとする様々な栄養素が不足するため、低カリウム血症の症状があらわれることも懸念されます。

各種病気の影響

低カリウム血症は、糖尿病や腎臓病など、様々な病気に併発する症状です。
この場合、低カリウム血症の対症療法とともに、低カリウム血症を引き起こしている病気の発見および治療が重要となります。

低カリウム血症の治療法、およびカリウム不足の対処法は?

低カリウム血症の治療は、主に「酢酸カリウム」などの、血中のカリウム濃度を上昇させる薬の内服により行われます。
低カリウム血症が「他の病気の治療薬の影響」により引き起こされている場合は、こうしたカリウム不足を補正する薬を用いて、症状の改善を図ることが一般的です。

急性胃腸炎による下痢や嘔吐などの影響で低カリウム血症の症状があらわれている場合は、胃腸炎の症状が落ち着くまで様子を見ることも検討されます。

低カリウム血症の原因が、拒食症や過食症などの摂食障害にあると見られる場合は、カリウム不足を補う薬の内服による対症療法だけではなく、摂食障害の専門医による治療が必要不可欠です。

低カリウム血症の症状はあらわれていないが、健康診断などによりカリウム不足が指摘されている、という場合は、後述するカリウムの多い野菜や食品・食材を積極的に摂取することが推奨されます。

カリウムとはどんなもの?その役割とは?

カリウムには、体内のナトリウムを尿として排出して血圧を下げたり、神経細胞の働きを助け、筋肉の運動を正常に保つ役割などがあります。

また、細胞内に多く含まれるカリウムは、細胞外に多く存在するナトリウムとバランスを取り合い、体液の浸透圧を調整しています。

カリウムの多い野菜や食品・食材と、食事の注意点は?

カリウムは、野菜や果物、穀物や肉類など、さまざまな食べ物に含まれている栄養素です。
そのため、健全な食生活を送っている人の場合は、基本的にカリウム不足を心配する必要はありません。

ただ、カリウムは水溶性ですので、茹でるなどすると、食材からカリウムが流れ出てしまいます。
カリウム不足、あるいは低カリウム血症を患っている人の場合は、野菜はサラダで食べるようにすると、カリウムを効率よく摂取できるでしょう。

また、低カリウム血症を患っている人は、体内のナトリウムを排出する働きが不十分となりますので、塩分の摂取は控え目にする必要があります。

これらの点に留意することは、低カリウム血症を予防する上でも有用です。

以下に、カリウムの多い野菜や食品・食材の一例をご紹介しましょう。

カリウムは野菜や果物に多く含まれています。
ほうれん草やこまつな(一束200gで1,000mg)、
芋類(中1個100gで450mg)、
ニラ(一束100gで510mg)、
バナナ(1本100gで360mg)、
トマト(1個150gで315mg)、
りんご(1個300mgで360mg)、
サラダ菜(1袋80gで300mg)、
いちご(半パック150gで300mg)などです。
牛乳(200mlで300mg)にも多く含まれています。

もっと減らそうナトリウム、もっと食べようカリウム – 日本心臓財団

なお、カリウムのサプリメントなども市販されていますが、利用はあまりおすすめできません。
カリウムの過剰摂取が懸念されますし、食品で補えないほどのカリウム不足は、医師の治療を受けるべき状態と考えられるためです。

カリウムの摂取量の目安は?

厚生労働省の発表によると、カリウムの一日の摂取量の目安は、男性は2,500mg、女性は2,000mgです。
ただし、高血圧の予防を考慮する場合、より多くのカリウムの摂取が望ましいとされます。

低カリウム血症は何科で診てもらえる?

低カリウム血症の症状があらわれたのが、「何らかの薬を飲み始めてから」ということであれば、その薬を処方した医師に相談をすることが第一です。
そのような心当たりがない、という場合は、一般内科で問題ありません。

コーラを飲み過ぎると低カリウム血症になるって本当?

10年間にわたり、1日に3リットルから4リットルもの清涼飲料水(コーラ)を飲んでいた女性が、重度の低カリウム血症に陥って緊急入院した事例が、さいたま記念病院内科により報告されています。

参考:
清涼飲料水の長期過剰摂取により低カリウム血症性ミオパチーを起こしたと考えられた2型糖尿病の1例

また、アルコールの多飲によっても、重度の低カリウム血症の症状があらわれた、とする報告があります。

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