喉の違和感や異物感、イガイガ:長引く症状を引き起こす病気の正体とは

「ここ最近、ずっと喉に違和感や異物感を抱えている・・・」

そのような症状が長続きするとき、それは「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」の可能性が考えられます。

咽喉頭異常感症の症状には、次のようなものがあります。

・喉の違和感、異物感(唾をのみこんだときに顕著に感じる)。
・日常的に、喉や胸に何かがつかえている、あるいは引っかかっているような感じがある。
・喉がイガイガする。

咽喉頭異常感症という病名は、「十分な検査を行ったが、上記の症状を引き起こす病変(原因疾患)を確認できなかった」という場合に用いられます。
※検査により原因疾患が判明した場合は、改めてその病名が用いられます。

つまり、「原因はわからないけど、症状がある以上は病名をつけなくてはいけないから、ひとまず咽喉頭異常感症と呼ぶことにしよう」というわけです。

実は、このような「喉に明らかな違和感・異物感・イガイガ感があるのに、検査をしてもなにも異変が見当たらない」というケースは、決して少なくないのです。

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咽喉頭異常感症になる原因は?

咽喉頭異常感症を発症する原因は、いまだ明らかになっていません。

精神的な要因が大きいとも言われ、不安や悩み、ストレスなどが発症の引き金になるとも言われています。
そうしたケースにおいては、前述の心因的要素の解消とともに、咽喉頭異常感症の症状も改善されます。

しかし、「原因疾患が存在しているのだが、病変を確認できていないだけ」という可能性も考えられます。
その場合、「そのうち治るだろう」と高をくくっていると、原因疾患が悪化し、深刻な事態を招きかねません。

例え咽喉頭異常感症と診断されたとしても、症状があるうちは定期的な診察を受けることが大切です。

過去に「咽喉頭異常感症」と診断された人は、いま一度「最新の検査」を

近年では、内視鏡(喉頭鏡)などの検査機器の発達により、いままで「咽喉頭異常感症」と診断されていた人たちにも原因疾患が判明することが珍しくなくなっています。

過去に「咽喉頭異常感症」と診断されたことのある人も、そうした最先端の検査を受ければ、原因疾患を発見することができるかもしれません。
長年にわたって咽喉頭異常感症に苦しめられており、ここ数年は病院にも通っていないという方は、ぜひ一度、高度な設備のあるクリニックにて検査を受けてみてください。

このような、「最先端の検査により発覚することが多い咽喉頭異常感症の原因疾患」には、「逆流性食道炎」が挙げられます。

逆流性食道炎は、何らかの要因で胃液が食道へと逆流し、食道の炎症を引き起こす病気です。
この炎症が軽度の場合、従来の検査では病変を見逃すことも多かったのですが、近年では、ほんのわずかな炎症でもチェックすることのできる体制が整いつつあるのです。

喉の違和感・異物感を覚えたら、何科にかかればいい?

喉に違和感・異物感を覚えたときは、耳鼻咽喉科にかかるのが最も一般的と言えるでしょう。

しかし前述した通り、咽喉頭異常感症は「心や身体のストレス」が発症のきっかけになり得る病気です。
そのような心理的要因が症状の背景にあると考えられる場合は、心療内科の受診を考慮すべきでしょう。

よって、喉の違和感や異物感を覚えたときは、まず耳鼻咽喉科にて徹底的な検査を行い、そこで何の病変も確認できず、かつ症状が重いということであれば、心療内科を受診してみる──という流れが望ましいと言えます。

咽喉頭異常感症の治療法は?

前述の通り、咽喉頭異常感症は「病変および原因疾患が見つからない病気」です。
そのため、有効な治療法も確立されてない、というのが現状です。

例えば、耳鼻咽喉科にて「咽喉頭異常感症」と診断された場合、大抵は「経過観察」ということになるでしょう。
実際、内視鏡検査などにより「何も異常が見つからなかった」と判明した途端、症状が消えてしまった──そんな話も珍しくないと言われています。
処方箋としては、神経症に効果のある「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」などの漢方薬が出されることもあります。

心療内科や精神科にて咽喉頭異常感症と診断された場合は、症状を引き起こしている心理的要因の特定と、その除去が焦点となります。

喉の違和感・異物感を引き起こす「咽喉頭異常感症」以外の病気について

上で、「原因疾患が何も見つからなかった場合に、咽喉頭異常感症と診断される」と述べましたが、では、検査により原因疾患が判明した場合、どのような病気が考えられるのでしょうか。

以下に、咽喉頭異常感──すなわち、「喉の違和感・異物感・イガイガ感」を引き起こす病気について、その代表的なものを挙げてみましょう。

鼻・喉の疾患

咽頭炎
扁桃炎
鼻咽腔炎
副鼻腔炎
扁桃肥大

過敏症

アレルギー性鼻炎
喉頭アレルギー

腫瘍

咽頭腫瘍(ポリープ、喉頭がん、咽頭がんなど)
甲状腺腫瘍

胃・食道疾患

逆流性食道炎
食道がん

これらの病気は、喉の違和感・異物感・イガイガ感を引き起こす他に、「それぞれの病気特有の症状」があり、それによって咽喉頭異常感症との区別をつけることができます。

例えば、咽頭炎や扁桃炎は、痛みや発熱、咳、食事の際の嚥下痛(えんげつう)などの症状があらわれます。
咽喉頭異常感症の場合は通常、こうした症状は伴わないとされます。

咽喉頭異常感症の通称「ヒステリー球」について

咽喉頭異常感症は古代の時代からその存在が認識されており、18世紀には「ヒステリー球」という名称がつけられていました。
また、東洋医学においては、「梅核気(ばいかくき)」の名で呼ばれていました。
咽喉頭異常感症によくあらわれる症状である、喉の異物感を「球」や「梅」に例えた名称です。

「咽喉頭異常感症」という堅苦しい名称より、「ヒステリー球」のほうが言いやすく覚えも良いため、現在でも通称としてよく用いられています。

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