クレアチニン・クリアランス(Ccr)の正常値と基準値について|Ccr値が高いときの対処法

健康診断の結果で目にすることが多い、尿素窒素(BUN)クレアチニン(Cr)などの値。
これらは主に「腎臓の機能」に異常がないか検査するための指標です。

この他にも、腎機能検査にはクレアチニン・クリアランス(Ccr)と呼ばれるものがあります。
この記事では、このクレアチニン・クリアランスについて、詳しく解説をしていきたいと思います。

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クレアチニン・クリアランス(Ccr)とは

前述の通り、一般的な健康診断等で行われる腎機能検査には、尿素窒素(BUN)と、クレアチニン(Cr)があります。
腎機能検査の信頼性は、尿素窒素よりもクレアチニン検査のほうが高いとされています。
これは、尿素窒素の検査が、検査前の水分の摂取量や食事内容などの影響を受けやすいためです。

そしてクレアチニン・クリアランス検査は、クレアチニン検査よりも、さらに正確性が高い腎機能検査とされています。
後述するように、非常に手間のかかる検査であるため、一般的な健康診断などでクレアチニン・クリアランス検査が実施されることはほとんどありません。

尿素窒素やクレアチニンの検査で何らかの異常が出た人、あるいは人間ドックなどにおける精密検査の際に実施されるケースが多いでしょう。

クレアチニン・クリアランスの検査内容とは

クレアチニン・クリアランスの検査では、「24時間法」と呼ばれる検査手法が一般的であり、その手順は次の通りです。

・起床後、すぐに排尿を行い、膀胱内を空にする(この尿は検査対象外)。
・その後24時間にわたって、排尿時の尿を採取し続ける(蓄尿と呼ばれます)。
・蓄尿期間の合間に、採血を行う(主に昼食前)。
※クレアチニン・クリアランスの検査では、尿検査と血液検査の両方が実施されます。

このように、「24時間法」は検査に長時間を要するため、原則として入院が必要となります。

「24時間法」の他には、「短時間法」と呼ばれる検査手法もあります。
短時間法には、1時間法、2時間法、4時間法などがあり、こちらであれば外来での検査も可能となります。

クレアチニン・クリアランスの正常値・基準値について

クレアチニン・クリアランスの正常値・基準値については、検査を実施する医療機関によって異なります。
あくまで目安となりますが、クレアチニン・クリアランスの正常値範囲の例としては、次のような値が挙げられます。
※「1分間に何ミリリットルの血液を濾過する機能があるか」を調べた値です。

正常値は男性で90~120ml/分、女性で80~110ml/分です。

NPO法人 腎臓サポート協会

クレアチニン・クリアランスは、値が低いほど腎臓の機能──すなわち、血液から老廃物を除去する「濾過機能」が低下していると見なされます。
詳細は後述しますが、値の低下が中等度~高度に至ると、血圧の上昇や貧血、浮腫(むくみ)などの症状があらわれるようになります。

逆に、クレアチニン・クリアランスの値が異常に高い場合は、糖尿病の発症等が疑われます。
また、妊娠しているときも、クレアチニン・クリアランスが高値を示す場合があります。

クレアチニン・クリアランスの値が低いとどうなるの?

前述の通り、クレアチニン・クリアランスの値が低い場合、腎臓の機能が低下していることが懸念されます。
腎臓の機能低下が進み、「慢性腎不全」を発症してしまうと、低下した腎臓の機能は元に戻らなくなります。
腎臓を労わりながら、慢性腎不全という病気と上手に付き合っていくことが求められるのです。

慢性腎不全は、次の4つのステージに分類されます。

第1期

腎臓の機能が、80~50%程度まで低下した状態です。
この時期では、自覚症状はほとんどあらわれません。
また、尿素窒素やクレアチンなどの検査でも、異常が見つからないケースも多々あります。

第2期

腎臓の機能が、50~30%程度まで低下した状態です。
頻尿や貧血などが症状としてあらわれ、尿素窒素やクレアチンも異常値が検出される段階です。
一般的に、腎機能が50%を下回った時点で、食事療法の実施が強く推奨されます。

第3期

腎臓の機能が、30~10%程度まで低下した状態です。
日常生活に支障をきたすほどの貧血や倦怠感、頻尿などが症状としてあらわれるほか、さまざまな合併症の発症が懸念されます。

第4期

腎臓の機能が、10%未満にまで低下した状態で、腎不全の末期です。
頭痛や手足のしびれ、全身の掻痒感、浮腫(むくみ)、心不全など、様々な症状や合併症があらわれるようになります。
この段階になると、透析治療や腎移植を検討する必要性が生じます。

クレアチニン・クリアランスの値が低い場合の対処法

クレアチニン・クリアランスの値が低い──すなわち腎臓の機能が低下している場合、まず真っ先に実施しなければならないのは、生活習慣の改善です。
特に、腎臓に負担をかける主な要因となる「食生活」を徹底的に見直すことが重要です。

食生活の改善として、まず取り組むべきはカロリー制限です。
自分の身長や年齢、生活スタイルをもとに、「1日に必要とする摂取カロリー量」を算出し、摂取カロリーがその値を大幅に超えないように心掛けましょう。
「1日に必要とする摂取カロリー量」の具体的な目標値は、自分自身で決定するのではなく、医師や管理栄養士などの専門家に相談をして導き出すことが大切です。

栄養面については、タンパク質と塩分の摂取を控えることが必要です。
以下に、それぞれの摂取量の目安について解説を行いたいと思います。

タンパク質の制限

タンパク質は、体内で分解する際に大量の老廃物を生成します。
この老廃物を体内から除去し、尿として排出する役割を持つのが腎臓です。
つまり、タンパク質を摂取すればするほど、腎臓に大きな負担をかけることになります。

健康な人の「タンパク質の1日の摂取量の目安」は、体重1kgにつき、0.8~1.0gとされています。
慢性腎不全を患っている方の場合は、この値よりも低く、摂取量の上限を定めなければなりません(体重1kgにつき、0.6~0.8g──など)。
自分の腎不全の症状に適した上限値を算出するには、かかりつけの医師をはじめとする専門家の指導を仰ぐ必要があります。

塩分の制限

塩分は、タンパク質とともに、腎臓に大きな負担を掛ける物質の一つです。
厚生労働省では、「健康な人の塩分の一日の摂取量」を、男性は8g未満、女性は7g未満とすることを推奨しています。
慢性腎不全を患っている人の場合は一般的に、一日の塩分摂取量を6g~7g程度とすることが目標とされます。

しかし塩分を控えた料理というものは、味気なく感じて食が進まなくなったり、逆に物足りなさを食事の量で補おうとしてしまいがちです。
新鮮な食材を用いて素材そのものの味を活かしたり、塩分を含まない香辛料(カレー粉やこしょうなど)を上手に使って、味にバラエティを出すなどの工夫をすることが大切です。

腎不全の食事における基本的な方針について

腎不全の食事における基本的な方針は、次の通りです。
腎不全の進行状況や、体格・体質・性別によって個人差が生じますので、あくまで目安としてご利用ください。

1、たんぱく質の制限
通常は標準体重1kgあたり0.6~0.8gに制限します。
尿たんぱく排泄量とクレアチニン値によって決まります。

2、十分なエネルギー摂取
標準体重1kgあたり35kcal必要です。
年齢や運動量によって28~40kcalになります。

3、塩分の制限
1日6~7gを目標に減塩します。
高血圧や浮腫がある場合は5g以下に制限される事もあります。

4、場合によっては水分、カリウム、リンを制限することもあります。

腎不全の食事の基本 – JAとりで総合医療センター

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