カンピロバクター腸炎Q&A:症状や治療法、感染予防を徹底解説

突然の激しい腹痛に、嘔吐や水下痢。
さらには、血便や発熱も伴うという場合・・・

それは、「カンピロバクター」という細菌に感染し、「腸炎」を発症している可能性があります。

カンピロバクターとは、一体どのような細菌でしょうか?
感染すると、どんな症状が引き起こされるのでしょうか?
治療法や感染予防には、何が考えられるでしょうか?

この記事では、これらの疑問について詳しく解説をしていきたいと思います。

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カンピロバクターとは?感染するとどうなる?

カンピロバクターは、「細菌性食中毒」を引き起こす原因菌の一つです。

イヌやネコなどのペットや、牛、ニワトリなどの家畜の糞に、多数存在することで知られています。
人間がこのカンピロバクターに感染すると、次に述べる「カンピロバクター腸炎」を発症します。

カンピロバクター腸炎の症状とは

カンピロバクター腸炎とは、カンピロバクターに感染したことにより、小腸や大腸が炎症を起こす病気です。
カンピロバクター腸炎の主な症状は、次のようなものです。

・腹痛
・下痢(水下痢が5~7日程度続く)
・血便
・発熱(38度前後が一般的)
・吐き気、嘔吐

初期症状として、頭痛や体の節々の痛み(筋肉痛)、だるさなど、風邪を引いたときと同じような症状があらわれることもあります。

カンピロバクターの感染経路は?

カンピロバクターへの感染は、主に鶏の刺身や生レバーなどの、「肉の生食」によって発生します。

火が十分に通っていない、生焼けの肉を食した場合も同様です。
鶏肉は特にカンピロバクターの感染リスクが高いため、しっかりと加熱処理をする必要があります。

また、「生肉の取り扱い」にも注意が必要です。
「カンピロバクターに感染している肉」を扱った手や調理器具で他の飲食物に触れてしまうと、その飲食物にカンピロバクターが付着してしまいます。
例えば、生肉を扱った手でサラダなどの盛り付けをしてしまうと、カンピロバクターがサラダに付着する可能性があります。

家庭内におけるカンピロバクター感染は、こうした二次感染が主であると考えられます。

生肉以外の感染経路としては、ペットや家畜の糞が挙げられます。
動物の糞がついた手で口元に触れたり、食事をしたりすると、カンピロバクターに感染するリスクが高まります。
また、動物の糞が溶けた井戸水などを口にすることでも感染します。

カンピロバクター腸炎の治療法は?

カンピロバクター腸炎の治療には、主に抗生剤(抗生物質)が用いられます。

ただ、症状が軽い場合は抗生剤を用いず、自然治癒を待つことも珍しくありません。
※カンピロバクター腸炎は多くの場合、一週間程度で症状が落ち着きます。

カンピロバクター腸炎などの「細菌性胃腸炎」の対処において、最も重要なのは「脱水症状の予防」です。
細菌性胃腸炎を発症すると、嘔吐や水下痢などで、体が水分不足に陥りがちになります。
経口補水液(イオン飲料)やスポーツドリンクなどを適宜摂取して、水分補給を欠かさないようにしてください。

細菌性胃腸炎を発症した際は、よほど症状が重い場合を除いて、下痢止めは用いないほうが良いとされます。
下痢には、体内の細菌を体外へ排出する働きがあるため、水分補給が適切にできていれば、むしろ積極的に便を出したほうが良いでしょう。

カンピロバクター感染を予防するには?

カンピロバクターは熱が弱点です。
75度以上の熱で1分以上加熱すれば、カンピロバクターはほぼ死滅します。
そのため、牛肉や鶏肉の調理時にきちんと火を通していれば、カンピロバクター感染のリスクを大きく下げることができます。

ただ、前述したように、加熱前の肉に触れた手や調理器具で、他の食材を扱うなどしてしまうと、二次感染のリスクが高まります。
生肉を扱った際は、手や調理器具などをきちんと洗浄することが重要です。
特に、まな板などは小まめに熱湯消毒することをおすすめします。

バーベキューなどで生肉を頻繁に扱う際は、生肉を専用に扱う箸やトングを用意し、それらの器具で火を通さない食材に触れないようにしましょう。

また、ペットなどの動物に触れることでも、カンピロバクターに感染することがあります。
動物に触れた際はよく手を洗うとともに、動物の糞が、体や衣服に付着しないよう気を配りましょう。

カンピロバクター腸炎の合併症について

カンピロバクター腸炎は、前述したように一週間程度で自然治癒します。

しかしカンピロバクター腸炎は、症状が治まってから数週間後に、「ギラン・バレー症候群」という合併症を発症することがあります。

ギラン・バレー症候群とはどんな病気?

ギラン・バレー症候群は、手足に力が入らなくなったり、痺れを感じたりするようになる病気です。

その影響で、手で物を掴めなくなったり、歩行が困難になることもあります。
顔面神経麻痺があらわれることもあり、症状が進むと、食べ物を飲み込むことや言葉を話すことにも支障が出るようになります。

カンピロバクター腸炎を患ったのち、手足にしびれや脱力感を覚えるようになった場合は、すぐ内科や神経内科の診察を受けましょう。
ギラン・バレー症候群は正しい治療を受ければ、8割以上が後遺症を残さずに治癒可能とされています。

カンピロバクターとギラン・バレー症候群の関係性について

カンピロバクターの感染が、なぜギラン・バレー症候群を引き起こすのか。
その詳しいメカニズムは、まだはっきりとわかっていませんが、カンピロバクターの感染によって体内にできた抗体が、神経細胞に悪影響を及ぼしている、とも言われています。

カンピロバクター腸炎Q&A

カンピロバクターの潜伏期間は?

カンピロバクターの潜伏期間は、1日~7日です。
3日程度の潜伏期間を経て発症することが多いとされます。

ノロウイルスやロタウイルスと比べると、カンピロバクターの潜伏期間は長期に及ぶと言えます。
※ノロウイルス・ロタウイルスの潜伏期間は1日~3日です。

カンピロバクターは人から人へうつる?

カンピロバクターに感染した人の便や吐しゃ物は、カンピロバクターの感染源となります。
家族がカンピロバクターに感染した場合、便や吐しゃ物の処理には十分に気を配る必要があります。

どんな人がカンピロバクターに感染しやすい?

乳幼児や高齢者、病中・病後などで体力が低下している人は、特に感染リスクが高まりますので、注意が必要です。

カンピロバクターの流行時期は?

バーベキューや屋台など、不衛生な環境下で食事をする機会が増える夏場は、カンピロバクターに感染する人が増える傾向にあると言われています。

カンピロバクター以外の、細菌性食中毒を引き起こす原因菌は?

細菌性食中毒の原因菌は、カンピロバクターの他にもサルモネラ菌や大腸菌O-157などが有名です。

カンピロバクターにアルコール消毒は有効?

カンピロバクターにはアルコール消毒が有効とされます。
アルコール濃度が70%以上の製品を用いてください。

呼び方はカンピロバクター?キャンピロバクター?

一昔前は、「キャンピロバクター」という呼び方をされていたこともあったようですが、現在では、「カンピロバクター」という名称が一般的です。

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