尿素窒素(BUN)が高い・低いときの対処法:正常値や基準値は?

血液検査で、尿素窒素(BUN)が高いという結果が出た。

そんなとき、大抵の人は・・・

「尿素窒素とは、なに?」
「尿素窒素が高いと、どういう問題があるの?」

などの疑問を覚えるのではないでしょうか。

この記事では・・・

・尿素窒素とは何か。
・尿素窒素の正常値、基準値はいくつか。
・尿素窒素が高い、あるいは低いときに、どういった問題が生じるのか。

などの事柄について、詳しく解説をしていきたいと思います。

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尿素窒素(BUN)とは

尿素窒素(BUN)とは、体内でタンパク質が代謝される際に発生する老廃物のことです。

この老廃物である尿素窒素は通常、腎臓の「血液を濾過する働き」により、体外へと排出されます。
しかし、腎臓の機能が低下するなどして濾過機能が正常に働かなくなると、尿素窒素を十分に取り除くことができなくなり、血中の尿素窒素の濃度が高まります。
このような背景から、血中の尿素窒素を測定することは、「腎臓が正常に働いているかどうか」を確認するための、一つの目安となります。

一般的な健康診断においては、血液検査によって尿素窒素の値を測定します。
「尿素窒素の値が異常に高い」という結果が出た場合は、腎臓病を始めとする何らかの病気を患っている可能性が高くなるため、精密検査を受けることが推奨されます。

なお尿素窒素の値は、体調や直前の食事内容などによって上下しやすい、という特徴があります。
そのため腎臓の機能評価には、後述するクレアチニン(cr)や、シスタチンCなどの指標も併せて用いることが一般的です。

尿素窒素(BUN)の正常値・基準値はいくつ?

尿素窒素(BUN)の正常値(基準値)は検査機関によって異なりますが、8~22mg/dl程度に設定されることが一般的です。

尿素窒素の値が正常値の上限を超えたとしても、数ポイントオーバーの軽度の高値であれば、タンパク質の過剰摂取や、体力の消耗による腎臓の機能低下といった、「一時的な問題」である場合も少なくありません。
しかし、数値が正常値の上限を大幅に超えてしまった場合には、後述する腎臓障害や病気などの可能性を考慮しなければいけません。

尿素窒素(BUN)が高い値を示す原因は?

血中の尿素窒素の値が高い状態を作り出す代表的な原因疾患には、次のようなものが挙げられます。

尿素窒素が高値であるときに疑われる疾患

・急性腎炎
・慢性腎炎
・消化管出血
・腎結石
・尿路閉塞
・腎不全
・尿毒症
・腎腫瘍(腎がん)

尿素窒素の値が異常な高値(60mg/dl以上など)を示している場合、腎不全腎腫瘍(腎がん)などの重篤な病気を発症している可能性が高まるため、速やかに精密検査を受ける必要があります。
また、尿素窒素が100mg/dl以上の値を示している場合は、人工透析が検討されます。

そのほか、体調不良や、プロテインのサプリメントを常用するなどしてタンパク質を過剰摂取している場合などに、尿素窒素の値が高い状態に陥りがちです。

尿素窒素(BUN)が低い場合の問題点は?

尿素窒素(BUN)が7mg/dl以下である場合は、「低値」と見なされます。
しかし尿素窒素の低値は、高値である場合と比べて、さほど問題視されないことも少なくありません。

ただ、近年は極端なダイエットや健康志向により、脂肪やタンパク質が不足している人が珍しくないため、尿素窒素の値が極端に低い場合、普段の食生活を見直してみることも必要となるでしょう。
※普段から低タンパク質の食べ物ばかり摂取していると、尿素窒素の値が低い状態に陥りがちです。

また、肝硬変や肝不全などの肝臓の病気、あるいは妊娠の影響で尿素窒素が低い値を示すことも考えられます。

尿素窒素(BUN)の値が高い人がすべきこと

健康診断等で尿素窒素(BUN)が高値を示した場合、腎臓の機能低下や病気等が疑われます。
そのため、尿素窒素の値が高い人が第一にすべきことは、前述した「尿素窒素が高値であるときに疑われる疾患」を発症していないか、十分な検査を行うことです。

検査の結果、何らかの疾患が発覚した場合は、その疾患に対する適切な治療を行います。
疾患が見つからなかった場合も、生活習慣を改めるなどして、尿素窒素の値を正常値に戻す努力が必要とされます。

尿素窒素の値を下げるには?

尿素窒素の値を下げるためには、まず腎臓の負担を減らす必要があります。

そのために第一にすべきことは、食生活の見直しです。
高脂質・高タンパク質の食事を避け、塩分を控えるなどして、腎臓の負担を減らしましょう。
過度のアルコール摂取なども改める必要があります。

腎臓の機能低下は、肥満やメタボリックシンドロームと深い関係があるとされます。
食事だけでなく運動にも気を配り、体重管理をしっかりと行うことが、尿素窒素の値を下げる結果に繋がります。

尿素窒素以外の、腎臓の機能を測る指標は?

前述の通り、尿素窒素(BUN)は主に、腎臓の機能に障害が発生していないかチェックするための指標として用いられます。
ただ、尿素窒素の値は、食事の内容や身体の調子などに左右されやすいため、正確な診断のためには、それらの要因の影響を慎重に除かなければならない、などの問題点があります。

しかし現在では、尿素窒素の値以外にも腎臓障害を診断する指標が存在します。
以下に、尿素窒素よりも信頼性が高いとされる、それらの指標をご紹介しましょう

血清クレアチニン

クレアチニンは、尿素窒素と同様に、タンパク質を代謝する際に発生する物質の一つです。
採血により、このクレアチニンの量を測定したものを、「血清クレアチニン値」と呼びます。

血清クレアチニン値は、尿素窒素と違って、採血直前の食事内容や体調の影響を受けにくいため、腎臓障害を診断するための指標として信頼性が高いとされています。

ただし血清クレアチニン値は、若い男性などの「筋肉量が多い人」は高値が、子供や高齢者などの「筋肉量が少ない人」は低値が示されやすい傾向にあります。

この血清クレアチニン値をもとにして腎臓の機能を評価した指標をeGFR(イージーエフアール)と呼びます。

eGFRの基準値は次の通りです。
※eGFRの値は、パーセンテージであらわされます。

90以上・・・腎機能はほぼ正常だが、タンパク尿などがある。
60~89・・・まだ無自覚の人が多い。高血圧などで悪化の恐れ。
30~59・・・むくみなどの症状がでる。適切な治療が大切。
15~29・・・厳しい食事療法なども必要に。
15未満・・・人工透析を開始する段階。

GFRの値と慢性腎臓病のステージ

血清シスタチンC

血清シスタチンCは、食事内容や体調、筋肉量に影響を受けにくい値です。

尿素窒素の値は、腎臓の機能低下がある程度進行しないと値が上昇しません。
しかし血清シスタチンCは、腎障害の初期から値の上昇が見られるため、異常の早期発見に役立ちます。

血清シスタチンCの検査は、健康診断や人間ドック等においては、追加費用が必要な「オプション検査」扱いになっていることが多いでしょう。

腎臓・腎臓病に関するQ&A

腎臓ってどんな臓器?

腎臓は主に、血液を濾過し、老廃物を除去する役目を担っています。
除去された老廃物は、尿として体外に排出されます。
腎臓にはその他にも、赤血球を生成したり、血圧を調整するなど、様々な役割が存在します。

腎臓ってどこにあるの?

腎臓は人体に2つ存在します。
腰の背中側、背骨を挟んで左右に位置しています。

腎臓は一度悪くすると治らないって本当?

腎臓の機能が長期間にわたって低下した状態である「慢性腎不全」に陥ると、機能回復は難しいとされています。
ただし、急激に症状が悪化する「急性腎不全」の場合は、治療によって状態が回復する場合があります。

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