自律神経失調症の症状とは?治療・改善へ向けた自律神経の整え方

「ストレス社会」とも言われる現代日本。

自律神経のバランスを崩し、「自律神経失調症」を患ってしまう人は、年々増加傾向にあると言われています。

しかしこの自律神経失調症は、自覚することが非常に難しい病気です。

「最近、なんだか調子が悪い」
「憂鬱な気分が抜けない」
「疲れやすくなった」

誰もが経験する、このような不調が、自律神経失調症の初期症状です。

自律神経失調症の認知度は、いまだ高いものとは言えません。

自律神経失調症が、どのような病気なのか。
どのような症状を引き起こすのか。
治療・改善のためには、なにをすべきなのか。

それらについて、以下に解説をしていきたいと思います。

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自律神経失調症とは

自律神経失調症とは、字の通り「自律神経」のバランスが崩れてしまった状態のことを指します。

人体に存在する自律神経には、大別して「交感神経」「副交感神経」の二種類が存在します。

交感神経は、身体を「活動状態」にする際に活性化する神経系です。
交感神経が活性化すると、心拍数が上がり、血管が収縮して、身体を巡る血液の流れが早くなります。
我々が日中、忙しく働いているときなどは、この交感神経が優位となっています。

副交感神経は、身体を「リラックス」させる際に活性化する神経系で、交感神経とは真逆の身体反応が生じます。
仕事を終え、家でリラックスしているとき、あるいは就寝中などは、この副交感神経が優位となっています。

このように、我々は通常、交感神経と副交感神経、どちらを優位にするかを無意識のうちに切り替えて、日常生活を営んでいるのです。

そして、この二つの神経系の切り替えがうまくいかなくなってしまった状態・・・。
それこそが、「自律神経失調症」です。

自律神経失調症を発症する原因とは

自律神経失調症を発症する原因は多岐にわたりますが、その代表的な要因としては、「精神的なストレス」が挙げられます。

特に、次のような性質が顕著である人は、ストレスをうまく発散させることができず、不満や不安を内に抱え込みがちです。

・完璧主義の傾向がある。
・責任感が強い。
・繊細で神経質。

こうした人たちは、リラックスすべきときにリラックスできない、すなわち副交感神経を優位にすべきときに、交感神経の方を活発化させてしまう傾向にあります。

例えば、仕事を終えて家に帰ってきたのに、悩み事が頭から離れず、悶々と考え込んでしまったり。
ベッドに入っても、不安や焦燥感に囚われて、なかなか寝付くことができなかったり。

このように、日中に引き続き、夜中まで交感神経が活発に働いてしまうと、脳も身体も休息をとる暇がありません。

また、ふだんから交感神経が過剰に働いていると、交感神経が疲弊してしまいます。
すると、活動すべき時間帯に交感神経が働いてくれず、代わりに副交感神経が活性化する──という事態が起こり、心と身体の状態がチグハグになってしまうこともあります。

こうしたことが積み重なると、心身のストレスは増大する一方。
次に述べるような「自律神経失調症の症状」が引き起こされることになります。

自律神経失調症のよくある症状とは

自律神経失調症の典型的な症状は、次のようなものです。

・体がだるい(倦怠感)。
・頭痛がする。
・耳鳴りがする。
・動悸がして息苦しい。
・胃腸の不調(下痢・便秘、吐き気など)。
・疲れやすくなった、あるいは疲れが取れない(疲労感)。
・食欲が出ない(食欲低下)。
・手足がしびれる。
・眠れない(不眠症状)。
・うつ病の諸症状が表われる。

これらはあくまで、一例にすぎません。
自律神経失調症の症状は、実に多種多様なのです。

この他にも、人体が起こし得るあらゆる不快な症状が、自律神経失調症により引き起こされる可能性がある──そう言っても過言ではありません。

「自律神経が失調する」ということは、それほど恐ろしい事態なのです。

自分が自律神経失調症かどうか、チェックするには?

上で述べたように、自律神経失調症の症状はあまりにも多種多用で、素人による自己判断では、チェックは困難と言って良いでしょう。

自律神経失調症の専門家である、心療内科の医師でも、「自律神経失調症である」と診断を下すことは、簡単ではありません。

医師は、患者さんが「自律神経失調症の典型的な症状」を訴えていたとしても、「その症状を引き起こす別の病気」を罹患していないか、十分に検査します。
検査により、それらの病気の可能性がなくなった時点で、ようやく自律神経失調症と診断されるわけです。

自己判断で「自分は自律神経失調症だろう」と思い込んでしまうと、その症状が別の病気により引き起こされている場合に、取り返しのつかない事態に陥りかねません。

身体の不調を感じた場合は、速やかに医師の診断を受けるようにしてください。

自律神経失調症は何科にかかれば良い?

自律神経失調症はあまり認知度の高い病気ではないため、症状を自覚しても「何科にかかれば良いんだろう?」と悩んでしまう人が少なくありません。

現在、自律神経失調症の専門科というと、「心療内科」とされることが一般的です。
その他には、精神科や神経科が専門と言えるでしょう。
※実際のところ、この3つの科に厳密な違いはなく、多くのメンタルヘルスクリニックにおいて、これらの科は併設されています。

なお、「自律神経失調症は、病気ではなく、症状である」とする向きもあり、そうした方針を持つ医師は、「自律神経失調症」という名称ではなく、不安障害やうつ病などの病名を用いることも多いようです。

自律神経失調症の治療方法とは

自律神経失調症の治療として、一般的に行われるのは、薬物療法です。

自律神経の崩れたバランスを改善する効果のある薬や、うつ症状などを緩和する薬などが良く用いられます。

心理療法も、自律神経失調症の改善に大きな効果があるとされます。
医師やカウンセラーに、自分の悩み事などの「ストレスを感じている事柄」について相談し、自律神経失調症を引き起こす心理的要因を解消していきます。

近年は、「自律訓練法」による自律神経失調症の改善効果も注目されています。

自律訓練法は、自己催眠法(自己暗示)により、自律神経のバランス調整を図ったり、心身のリラクゼーションを行ったりするものです。

自律神経失調症を始めとして、ストレスに起因する様々な症状の改善に効果があるとされています。

自律訓練法は、指導を受けて手順に習熟すれば、自分一人でも行うことができます。
興味があれば、自律訓練法を行っている心療内科等を訪ねてみてください。

自分でできる、自律神経の整え方

自律神経失調症の治療には、医師の指導を仰ぐことが必要不可欠です。

ですが、それと並行して、自分自身でも自律神経を整える努力をすることは、決して無駄なことではありません。
むしろ、自律神経失調症の根治を目指すためには、必要不可欠とすら言えるでしょう。

以下に、個人でも取り組むことのできる自律神経の整え方をご紹介します。

規則正しい生活を心掛ける

ライスサイクルの乱れは、自律神経のバランスの乱れに直結します。

就寝時間や起床時間が不規則であったり、昼夜逆転の生活をしていると、自律神経失調症の症状が出やすくなると、多くの医師や研究機関が指摘しています。

食事の時間が一定でない場合も、体内時計に狂いが生じる原因となります。

また、労働時間が極端に長いと、交感神経が働いている時間も長くなり、副交感神経とのバランス調整に乱れが生じたりします。

就寝時間・起床時間・食事の時間・労働時間を一定に保ち、かつ副交感神経を優位にするリラックスタイムをきちんと設ける──。
自律神経の整える上では、そんな規則正しい一日を送ることが理想と言えます。

呼吸法で自律神経を整える

自律神経は、無意識化で働くものであり、その働きを意識的かつ直接的にコントロールすることはできません。

しかし、自律神経の働きを「間接的に」コントロールする手段があります。

その手段とは、「呼吸」です。

呼吸の動作と自律神経の働きは密接に結び付いており、意識的な呼吸により、自律神経の働きのバランス調整をすることが可能なのです。

腹式呼吸で、大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐く。
これを繰り返すだけで、「副交感神経」が優位な状態を作り出しやすくなります。

逆に、浅い呼吸を短い間隔で繰り返していると、「交感神経」が優位になりやすくなります。

このような呼吸により、なぜ自律神経のコントロールが可能なのかと言えば、それは「横隔膜」に自律神経が密集しているためです。

ご存じのとおり、呼吸をする際には、横隔膜が上下に動きます。

このとき、横隔膜を大きく、ゆっくりと動かしてやれば、副交感神経が「いまはリラックスする時間なんだな」と判断し、その働きを活性化させます。
逆に、横隔膜を浅く、素早く動かしてやれば、交感神経が「いまは活動すべき時間なんだな」と判断し、その働きを活性化させる、というわけです。

自律神経失調症に陥っている方は、日常的に「浅い呼吸」行っている傾向にあると言われています。

普段から腹式呼吸を意識し、横隔膜を大きく、ゆっくりと動かすことを心掛ければ、自律神経を整える効果が期待できます。

エクササイズで自律神経を整える

自律神経の働きを整えるためには、エクササイズも有効です。

身体を動かすと、交感神経が活発に働きます。
そして、適度に疲労し、温まった身体がクールダウンするときは、副交感神経が活発に働きます。

このように、それぞれの自律神経が顕著に活性化する状況を作り出し、その状況に「さあ運動するぞ!」、「ああ、疲れた、休もう!」といった心の状態を一致させることで、交感神経と副交感神経が正常に切り替わる「癖」をつけるのです。

運動習慣のある人は、自律神経のバランスが崩れにくくなる、と言われています。
普段、なかなか運動する機会のない人は、ぜひ日常に運動習慣を取り入れてみましょう。

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