大人のアスペルガー症候群Q&A:成人後の仕事や恋愛・結婚など

アスペルガー症候群とは、「先天的な脳の機能障害」であり、広汎性発達障害の一種です。
広汎性発達障害には、アスペルガー症候群の他に、自閉症がカテゴライズされます。

広汎性発達障害の基本的な特徴としては、次の3つが挙げられます。

・社会性の障害
・コミュニケーションの障害
・反復的で常同的な行動

以下に、いくつか例を挙げてみましょう。

広汎性発達障害(アスペルガー症候群、自閉症)の特徴とは

・他人と会話をするとき、自分の興味のあることばかりを喋り続ける。相手が関心を持っていない素振りや、露骨に嫌な顔をするなどしていても、それに気が付くことができない。

・いわゆる「空気を読む」ことが苦手で、場の雰囲気を察したり、他人の顔色を窺うことができない。仕事場などのコミュニティにおける「暗黙のルール」が理解できず、他者と協調して作業することができない。

・言葉あるいは行動を慎重に選ばなければならない場面でも、自分の心情をストレートに表現してしまい、相手を不愉快な気分にさせてしまう。

・相手の言葉を文字通りに受け取る傾向が強く、相手の言外の意味を察することができない。

・自分の興味を引くものを見つけると、それに熱中・没頭し、周囲のことが目に入らなくなる。

このような特徴があることから、アスペルガー障害を持つ人は、対人関係でトラブルになることが多く、学校でいじめにあって不登校になってしまったり、職場でも周囲と協調することが難しく、社会的に孤立してしまいがちです。

また、上述のような問題が起こった際、周囲から注意をされたり叱られたりしても、その理屈や背景、相手の心情を理解することができず、自分も相手も困惑してしまう──というケースも少なくありません。

このような出来事が重なり、精神的なストレスを溜め込んで、鬱病や不安障害などの心の病を患ってしまう人も多いと言われています。

アスペルガー症候群は広い意味での「自閉症」に含まれる一つのタイプで、「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、興味・関心のかたより」があります。自閉症のように、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障害があることが分かりにくいのですが、成長とともに不器用さがはっきりすることが特徴です。

アスペルガー症候群 – 発達障害って何だろう?

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アスペルガー症候群と自閉症の違いは?

アスペルガー症候群と自閉症の違いは、「知的障害」「言葉の発達の遅れ」、この2つの特徴の有無とされます。

冒頭で述べた、広汎性発達障害の基本的特徴──社会性の障害、コミュニケーションの障害、反復的で常同的な行動──の他、知的障害と言葉の発達の遅れがあらわれているケースが自閉症、あらわれていないケースがアスペルガー症候群に分類されます。

なお、近年では自閉症とアスペルガー症候群の総称として、「自閉スペクトラム症」という呼び名があります。

アスペルガー症候群と診断されたらどうすればいいの?

現在、アスペルガー症候群や自閉症を根本的に治療する薬物は開発されていません。
そのため、アスペルガー症候群や自閉症に対しては、鬱や不安、パニックなどの二次障害を緩和するための対症療法が中心となります。

ですが、専門家による精神療法やカウンセリング、訓練などを通して、他者とのコミュニケーションや社会生活をより円滑にしていくための技能を身につけることは、十分に可能です。

近年では、各地域にアスペルガー症候群や自閉症などの障害を持つ人を支援するための公的機関や、自助グループ(自助会)などが存在します。
そういった場所で相談をしたり、情報交換をしてみることも有意義でしょう。

後述する「発達障害者支援センター」を始めとして、こうした機関や自助会の多くは、インターネット上でも活動していますので、まずはネットを活用して情報収集をしてみると良いでしょう。

アスペルガー症候群を改善できる?「オキシトシン」とは

近年、「オキシトシン」と呼ばれるホルモンの一種が、アスペルガー症候群や自閉症──すなわち、「自閉症スペクトラム障害」の症状を改善する可能性が示唆されています。

自閉症スペクトラム障害を持つ人は、脳の内側前頭前野の活動の低下が観察されており、このことが社会性の障害や他者とのコミュニケーションの障害の原因となっていると言われています。

前述のオキシトシンを点鼻剤として用いると、内側前頭前野が活発化し、自閉症スペクトラム障害の改善に効果があると見込まれています。

まだ研究段階ではありますが、将来、自閉症スペクトラム障害に効果のある薬品が開発され、治療法が確立される日がやってくるかもしれません。

アスペルガー症候群の人はどう仕事に取り組むべき?

アスペルガー症候群という障害を持つ人が成人し、大人となり、社会に出る──そのとき、最も大きな問題となるのが「仕事」です。

同僚や上司、お客様とのコミュニケーションでトラブルを起こしてしまったり、職場や業務の暗黙のルールをうまく把握できなかったりすると、次第に職場に居づらくなり、退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまうことが少なくありません。

こういったことが繰り返されると、自分に自信を無くし、強い劣等感と精神的なストレスに押しつぶされ、心の病を患ってしまうことも珍しくありません。

近年、特に深刻化しているこのような問題を受けて、自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害に悩む人たちの就労を支援する企業や自治体があらわれはじめています。

こうした取り組みを行う機関を積極的に利用すれば、自分の障害を受け止め、活かしてくれる就労先を見つけることもできるかもしれません。

このような専門機関の代表例として、「発達障害者支援センター」があります。

発達障害者支援センターは、発達障害児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関です。都道府県・指定都市自ら、または、都道府県知事等が指定した社会福祉法人、特定非営利活動法人等が運営しています。

発達障害者支援センターとは

発達障害者支援センターの相談窓口や、その他の就労支援機関・福祉サービスについては、次のリンク先に詳しく掲載されています。

発達障害についての相談窓口・支援機関

この他にも、市役所などの行政窓口や、上述した自助会等にアクセスするなどして、幅広く情報収集を行ってみることをおすすめします。

アスペルガー症候群の人は恋愛できる?

アスペルガー症候群であると診断されたとき・・・

「ああ、自分はもう結婚なんてできない、子ども産んだり育てたりすることもできない、普通の幸せを諦めなければならないんだ──」

そんなふうに悩んでしまい、これからの人生に希望を持てなくなってしまう人は、少なくないでしょう。
障害が子供に遺伝する可能性や、好きな人に自分の障害のことを伝える瞬間のことを思うと、胸が締め付けられるような思いがする人も多いことでしょう。

しかし、アスペルガー障害を持つ人でも、健常者と同じように結婚生活を営んでいる人は大勢います。

自分とパートナーの両者が、しっかりとアスペルガー障害について学び、上手につきあっていくことができれば、恋愛や結婚をして、幸せな家庭を築き上げることは十分に可能です。

大切なことは、一人きりで悩み、「自分は結婚などできない」「もう諦めた」などと、結論づけてしまわないことです。

まずは、上述した相談窓口などで、自分の正直な不安を打ち明けてみてはいかがでしょう。
きっとそこには、あなたと同じ悩みを持った人が、数多く相談に訪れているはずです。
そうした事例の中から、現在のあなたにとっての、何らかの光明を見つけ出すことができるかもしれません。

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